誕生日の1日

どうしても忘れたくないので、ここに誕生日のことを書き留めておく。


8月某日

誕生日の朝10時、現地の最寄り駅に集合にした。
別れ話をされた後だけど、やっぱり誕生日は好きな人といたいという私のワガママに付き合ってもらい、急遽することになった遊園地デート。

私は馴染みがあるが、彼はそうでも無さそうな、そんなローカル遊園地に行くことになった。

誕生日は〇〇ちゃんの行きたいところに行こう、
と言う彼の言葉に甘えて私が決めた場所である。

当日は少し曇り気味で、それが心地よかった。
有名なテーマパークと比べて格段に安い入場料や園内での飲食物に、コスパいいね〜なんて言いながら乗り物類も堪能していた。

おやつの時間帯ぐらいになると流石に天気も良くなり、日差しも照りつけるようになったので遊園地を出ることにした。


夕飯はどうするか尋ねてみると、なんと予約をしてくれているとのこと。
彼の家で着替えとシャワーを済ませ予約してくれたお店に向かうと、
とあるビルの最上階、夜景の綺麗なイタリアンだった。

雰囲気よりも味やコスパを常に求める彼が私のために色々調べてくれたのだなぁと思うとそれだけでとても嬉しかった。

最上階でご飯を食べていると、その当日他府県であった花火大会の花火が遠くの方に見え、まさに最近公開された某映画のタイトルのようであった。

普段はご飯に行っても割り勘か自分が食べた分は払っているけど、今回ばかりは出してもらった。もう彼女でもないけど、1年に1回の特別な日だから甘えさせてもらった。

ご飯の後は、本当は露天風呂付きのラブホテルに泊まる予定だったが、お目当ての場所が既に埋まっていたため断念。

代わりとなる宿を見て歩いているうちにどんどん宿泊で部屋が埋まっていくために、比較的良さそうなチェーンのラブホテルに泊まることにした。

そこで初めてラブホテルには待合室のようなものがある事を知った。
今の彼氏と付き合って、色んな初めてを体験してきたけど、これも衝撃の初体験のひとつだった。

あと、オプションのサービスとしてコスプレ衣装を無料でレンタル出来るのも衝撃だった。彼がコスプレ衣装を着た私を見て喜んでくれたので私も嬉しい気持ちになった。

宿泊後は彼の部屋に戻って、遠距離後に彼が引っ越す地域の美味しそうなご飯屋さんを2人で見たりした。
一緒に行こうね、なんて彼が軽々しく言うから、時々今後も一緒に居られるんじゃないか、なんて勘違いしてしまいそうになった。

誕生日の翌日の夜ご飯は2人で隠れ家barで美味しいカクテルを楽しんで、エスニックな料理に舌鼓を打った。

別れ際に渡した私の未練と大好きが詰まった手紙、彼はどう思ったんだろう。

私の人生で初めて大好きな人と過ごした誕生日、彼は何を思って過ごしたのだろう。

聞かない方が幸せなんだろうな。

やっぱりまだ大好きと想いながら、誕生日とその翌日は幸せな気持ちで寝ることが出来た。